スモールデンスLDLコレステロール（small dense LDLコレステロール）

しかしエネルギーに変換されなかった中性脂肪は、HDLコレステロールを減らし、LDLコレステロールを増やす原因となり、その結果血管にLDLコレステロールが付着して動脈硬化を招くという、健康上のリスクになります。さらに、中性脂肪が増えると脂質代謝に異常が生じ、LDLコレステロールが小型化した「超悪玉コレステロール」になることで、血管壁にさらに侵入しやすくなることもわかっています。

この小型化した「超悪玉コレステロール」が「スモールデンスコレステロール」なのです。

中性脂肪の項目でもふれましたが、最近の研究でLDLコレステロールの中でも、悪さをするのは、小型のLDLコレステロール「超悪玉（small dense LDL）」ということが分かってきました。

LDLコレステロール値が基準範囲（140mg/dl未満）でも動脈硬化が進んでいたり、逆にLDLコレステロール値が高い値でありながら全く動脈硬化が進んでいなかったりと、LDLコレステロール値と病状に個人差がある要因がこの「超悪玉（small dense LDL）」の割合にあったようです。

スモールデンスLDLコレステロールは血液検査で簡単に調べる事ができます。

検査できる病院も増えてきています。

スモールデンスLDLコレステロールが高いか低いを知る指標としては、中性脂肪の値とHDLコレステロールの値が指標になります。この他に血糖値・ヘモグロビンA1cの値が正常かどうかというのも重要です。

勿論これまでも医師はLDLコレステロール値が高値であった場合、HDLコレステロール値や中性脂肪値も家族歴やその他のデーターや情報を考慮に入れた上で投薬の有無を判断されていたと思いますが・・・。

いずれにしても、LDLコレステロール値が高い方はまずは主治医の先生に相談してみてください。

実はこのテーマをかなり前からブログに書こうと思いながら、書けずにずるずる２年あまりが経過してしまっていました。

私がこのテーマをブログに書きたいと思った理由は、

長年、医療現場で患者様の検査データーを見てきた中で、LDLコレステロール値が異常に低い方に脳血管障害や癌などを罹患されている方が多いこと、また逆にLDLコレステロールが高めの方が意外に健康的に過ごされているのでは？と思う事があったこと。（医学的根拠のない私見です。）
私自身の検査データーが、若いころからLDLコレステロール値が高値、中性脂肪値が低値だったこと。いまだに薬は飲まずにやりそごしています。（笑）
２年前まで勤務していた病院で、外注先の検査センターさんで「スモールデンスLDLコレステロール」の検査がスタートしたことを受けて、健康診断や職員健診の項目に「スモールデンスLDLコレステロール検査」を導入する企画をしていたこと。残念ながら実現前に退職することになりましたが・・・。